AtoZ社と言えばコンパクトキャブコンの代名詞とまで言われた大ヒットモデル「アミティ」が有名ですが、ワンランク大きなカムロードベースの「アンソニー」も人気のモデルです。今回はこの「アンソニー」のスペックやリセールバリューについて紹介します。
AtoZ社と言えばコンパクトキャブコンの代名詞とまで言われた大ヒットモデル「アミティ」が有名ですが、ワンランク大きなカムロードベースの「アンソニー」も人気のモデルです。今回はこの「アンソニー」のスペックやリセールバリューについて紹介します。
AtoZ社の「アミティ」は非常に多くのキャンピングカーユーザーに知られたモデルです。マツダ・ボンゴをベースにしたコンパクトキャブコン・アミティは2006年の発売以来、2020年にベース車両のボンゴが販売終了となるまで長きにわたりコンパクトキャブコンの人気を牽引してきました。この成功によりコンパクトキャブコン製作で絶大な支持を得ているAtoZ社のフラッグシップキャブコンが「アンソニー」です。
アンソニーの初代モデル発売は1996年にまでさかのぼります。当時のベース車両はトヨタ・ハイエーストラックでした。その後、マツダ・ボンゴやトヨタ・カムロードにベース車両を変更し現在に至ります。現在販売中のモデルはカムロードにリアダブルタイヤが設定された2017年に登場し、2021年にはベース車両が新型カムロードに変更されています。
アンソニーにはレイアウトの異なる「LE」「スペンド」というモデルが存在し、さらに2022年には全長を350mm切り詰めた「アンソニーライト」も登場しました。
「LE」はリアエントリーとして広々としたダイネットを備えたモデル、「スペンド」は常設2段ベッドとマルチルームに代えて広大なラゲッジスペースを備えたモデルです。
「アンソニーライト」は販売終了となったアミティを補完するモデルで、全長・全幅をアミティ同等に抑え、インテリアのデザインもアミティに近いものとなっています。
フラッグシップモデルとなるアンソニーですが、アミティの人気の理由であった「取り回しのしやすさ」「コストパフォーマンスの良さ」「お洒落で使いやすいインテリア」といった点は同様です。具体的に見てみましょう。
カムロードベースのキャブコンはおおむね全長5m・全幅2m程度のサイズとなりますが、アンソニーの全幅は1910mmに抑えられています。運転席のあるキャブ部分に比べ、シェル部分が横に大きくはみ出しているのが一般的なキャブコンです。乗用車ではあり得ない形状のため、慣れるまでは神経を使う部分でもあります。その点、運転席部分とシェル部分との横幅の違いが比較的少ないアンソニーは、キャブコンの中でも運転しやすいモデルと言えるでしょう。
また、2022年にラインナップに追加された「アンソニーライト」はアミティの全長・全幅をほぼ踏襲しています。4,690mm×1,950mm×2,770mmのアミティに比べ、アンソニーライトは4,630mm×1,975mm×2,810mmと、カムロードベースにもかかわらず全長では下回っています。
アンソニー・アンソニーライトともに、全長・全幅はほとんどの駐車場に対応したサイズのため、出先での駐車場探しに困る、というようなことはほとんど心配ないでしょう。
アミティの大ヒットの理由としてしばしば価格設定が挙げられます。コンパクトサイズではありますが、400万円台で購入可能な価格設定はキャブコンとしては非常に魅力的でした。
アンソニーシリーズは700万円台、アンソニーライトは600万円台からのスタートとなっており、アミティに比べれば若干高価格帯ではあります。それでも、1,000万円オーバーが一般的となりつつある新型カムロードベースのキャブコンの中で2〜300万円低い価格設定は相当お得感が高いでしょう。
リーズナブルな価格設定でありながら、「安かろう悪かろう」といった粗雑な作りとは無縁であることは、アミティの大ヒットからも明らかです。購入価格を抑え、その分をキャンピングカーでの旅行費用にあてたいという方には非常に魅力的なモデルです。
アンソニーシリーズのインテリアは「橙香」「朱夏」「銀花」という3パターンのバリエーションから選択可能です。インテリアコーディネーターの手でデザインされた内装は木材をふんだんに使い、スタイリッシュでありながら温かみのあるものとなっています。
アンソニーライトは「Fiore(フィオーレ)」「Porto(ポルト)」「Bosco(ボスコ)」という3パターンのコンセプトになりますが、これらはアミティシリーズから引き継いだものをアンソニーライトに合わせて再設計したデザインとなります。
いずれのモデルも「豪華」とは言えないかもしれませんが、高級キャブコンに見劣りしない高品質で実用性の高い内装デザインとなっており、アンソニーシリーズ・アンソニーライトを一層魅力的なモデルに仕上げています。
ここまで、アンソニーの特徴を紹介してきました。現在アンソニーシリーズは中古車市場で高いリセールバリューを保っています。その理由は何でしょうか?
ここからはアンソニーのリセールバリューの高さの理由を見てみましょう。
アンソニーシリーズのベースとなるカムロードは、トヨタが販売する「キャンピングカー専用」車種です。居住スペースの広さや快適性、キャンピングカーらしい外装デザインが魅力のキャブコンの中でも、走行性能や設計自由度の高さから、多くのモデルがカムロードをベースにしています。
新車では1,000万円を超える価格になることも多いカムロードベースのキャブコンは、中古車で購入しようというユーザーも多いため、市場での人気も非常に高い状況が続いています。
AtoZ社にはアミティという大ヒットモデルが存在するため、知名度も信頼性も高いビルダーブランドとなっています。現在でもアミティへの関心は高く、「キャンピングカー比較ナビ」では生産終了モデルにもかかわらず執筆時点で閲覧人気ランキング10位にランクインしています。そうしたAtoZ社のフラッグシップモデルという点もアンソニーの人気を押し上げています。
このように有名ビルダーが人気ベース車両で製作したモデルにもかかわらず、アンソニーの中古車流通台数は多くありません。大手中古車情報サイトでも数台しか確認できませんでした。一般的に、中古市場では流通台数と人気が相関関係にありますが、キャンピングカーのような少数生産モデルでは話が違ってきます。
アンソニーの現行モデルは2017年発売とまだ比較的新しいこともあり、中古車市場では需要に供給が追いつかない「タマ数不足」の状態が続いていると言えます。その証拠に上記情報サイトでは数年経過した現行モデルがいずれも700万円以上の「ほぼ新車価格」となっており、非常に高いリセールバリューが確認できます。
リセールバリューの高いアンソニーシリーズですので、売却を検討している方にとっては大きなチャンスとなります。より高く売るためにはどのような点に注意すれば良いでしょうか。確認してみましょう。
大前提ですが、意外と見落としがちな点です。アンソニーに限らずキャンピングカーは様々なベース車両に様々な架装を行っているため、「モデルやグレードによって装備品が全く異なる」ということもたびたび発生します。ベース車両・ビルダー・モデル・グレードは査定時にしっかりと伝えましょう。
アンソニーシリーズには「アンソニー」「アンソニーLE」「アンソニースペンド」の3グレードが存在しています。直近では「アンソニーライト」も追加されました。それぞれ仕様が異なり、需要も変わります。忘れず、正確に伝えましょう。
キャンピングカーの査定では装備品の動作確認が重要な意味を持ちます。エアコンが動かない、FFヒーターが壊れている、冷蔵庫が冷えない等の問題点は査定のマイナス評価となります。スタッフと一緒に確認することで問題点がないことを証明し、また万一問題点があった場合にも売却前に修理するという選択肢が生まれます。さらに、サブバッテリーや追加の電装品等を装備している場合にはアピールすることで見落としを防ぎ、査定アップの可能性を広げることにも繋がります。
アンソニーの特徴でも触れた通り、高品質なインテリアが評価されているモデルでもあります。そのため、室内の清潔感は重要です。染みや汚れは減点対象となる場合もあるため、こまめに清掃しきれいな状態を保つように心がけましょう。キャンピングカーのインテリアは飲食を伴う場でもありますから、こまめな清掃は査定の評価だけでなく感染症等の予防にも有効です。
アンソニーシリーズの売却先・依頼先に迷ったら、まずはキャンピングカーラボにご依頼ください。キャンピングカーの専門知識を持ったスタッフが査定を行うため、装備品の評価や見落としがなく、高額査定に繋がる可能性が高まります。
前述した通り、現在中古市場のアンソニーシリーズは供給が不足している状況です。新型カムロードをベースとした車両が広く市場流通するまでの期間は、特にチャンスと言えるかもしれません。アンソニーシリーズの売却を少しでも検討されている場合は、この機会に査定だけでも行ってみることをお勧めします。
AtoZ・カムロードの特徴とリセールバリューについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。AtoZ社はコンパクトキャブコンのイメージが強いかもしれませんが、カムロードベースのアンソニーシリーズもアミティ同様に扱いやすく快適で高いコストパフォーマンスを備えたモデルと言えるでしょう。さらに現在はリセールバリューも期待できる状況です。
アウトドア人気やコロナ禍、新車の供給遅れなどいくつかの要因が重なり中古車の相場は高い状態が続いていますが、永続的なものではありません。売却を検討されている場合は機会を逃さないようご注意ください。それでは、皆様のキャンピングカーライフの一助になれば幸いです。
当メディアでは、20年以上にわたりキャンピングカーの買取サービスも行っております。 確かな知識でオーナー様に寄り添った査定をぜひご体験ください。