キャンピングカーのタイプのひとつであるバンコンとは、どのような車なのでしょうか。この記事では、バンコンの定義やメリット・デメリット、バンコンの危険性、キャブコンとの違い、リセールバリューの実態などについて解説します。バンコンの購入を検討している方や日常使いでも乗れるキャンピングカーに興味がある方は参考にしてみてください。
キャンピングカーのタイプのひとつであるバンコンとは、どのような車なのでしょうか。この記事では、バンコンの定義やメリット・デメリット、バンコンの危険性、キャブコンとの違い、リセールバリューの実態などについて解説します。バンコンの購入を検討している方や日常使いでも乗れるキャンピングカーに興味がある方は参考にしてみてください。
バンコンとは、バンコンバージョンの略称で、キャンピングカーのタイプのひとつです。日本RV協会によると、架装メーカー(ビルダー)が商用バン、ミニバン、ワゴンなどをベースに改造(コンバージョン)したキャンピングカーで、キッチン、サニタリー、就寝スペースなど車内架裝に重点を置いたものと定義しています。
バンコンの特徴は運転のしやすさです。バンコンの外観は、一般的なバンやミニバンなどと同様であるため、ボディサイズに大きな変化がありません。そのため、乗用車と同じような感覚で運転することができ、普段使いに利用することもできます。また、普通免許で運転することができるタイプがあったり、一般的な駐車場に停めたりすることもできます。
バンコンの乗車人数は、車種や就寝スペースなどによって異なりますが2名~6名が一般的です。そのため、家族で車中泊できたり、キャンプやアウトドアを楽しんだりできます。
バンコンの代表的なベース車両は、トヨタ ハイエースや日産 NV350キャラバンなどです。ここからは、商用バンやワゴンとしても人気のある車種がベースになっているバンコンのメリット・デメリットを解説します。
バンコンのメリットは、運転がしやすく、走行性能が良いことです。また、リセールバリューが良いのもバンコンの特徴です。ここからは、バンコンのメリットを詳しく解説します。
バンコンは、走行性能や乗り心地が良いことが特徴です。ハイエースやキャラバンなど商用バンがベースとなっています。そのため、荷物を載せて走ることを想定した設計になっており、走行性能に優れている傾向があります。また、乗用車のワゴンが設定されているモデルでもあるため、トラックのシャシーをベースとしたキャンピングカーよりも乗り心地が良いといえるでしょう。
バンコンのキャンピングカーは、リセールバリューが良いこともメリットです。特にハイエースは、車両の耐久性が高く、キャンピングカーとしての側面だけでなく、多人数乗車や重量のある物を運ぶなど、さまざまな用途に利用できるモデルです。そのため、日本国内のみならず海外でも人気が高く、年式が古かったり、走行距離が伸びたりしていても買取額が高くなるケースがほとんどです。
また、キャンピングカー仕様であれば、装備が充実しているため、売却時により高値になりやすいです。さらに、適度なボディサイズにより運転がしやすく、普通免許でも乗れるモデルもあるため、国内のキャンピング市場でも人気が高いです。バンコンは、ベース車両の信頼性やキャンピングカーとしての装備が充実していることから、リセールバリューが良いといえるでしょう。
バンコンのキャンピングカーは、ベース車両のボディサイズをほぼ変えずにキャンピング仕様にしているモデルがほとんどです。そのため、買い物や送迎などの普段使いもできます。
バンコンのベース車両として人気があるハイエースのロング・ワイドボディ・ミドルルーフのサイズは、全長4,840mm、全幅1,880mm、全高2,105mm、ホイールベース2,570mm、最小回転半径5.2m~5.4mです。このサイズであれば、一般的な平置き駐車場や高さがある立体駐車場などに車を停めることができます。よって、スーパーやショッピングモールなどに買い物へ行って、キャンプやアウトドアに向かうことも可能です。また、小回り性能も良いため、狭い場所でも運転がしやすいといえるでしょう。
バンコンのデメリットは、居住空間に制限があることです。また、燃費が良くなかったり、盗難に遭う確率が高かったりします。ここからは、バンコンのデメリットを詳しく解説します。
バンコンは、キャブコンよりも高さが低く、幅や長さが短いため、居住スペースに制限があります。そのため、テーブルやソファ(ダイネット)、調理スペース(ギャレー)がキャブコンよりも小さいケースが多いです。バンコンを購入するときは、室内の装備を慎重に検討して、居住空間が窮屈にならないようアイテムの選定をする必要があるでしょう。
バンコンのエンジンは、ガソリンとディーゼルから選べるモデルがほとんどです。ガソリン車の場合、車両重量があるバンコンを動かすために、多くの燃料を消費するため、燃費が悪くなりやすいです。一方、ディーゼル車の場合には、低回転域でのトルクが太いため、ガソリン車よりも燃費が良い傾向にあります。
バンコンのベース車両はハイエースが多く、盗難の危険性が高いです。ハイエースは、耐久性が高く、室内空間が広く、多様性のある車種であるため、世界的に人気があります。日本損害保険協会の統計によると、2007年からの7年間はハイエースが盗難被害ワーストNo1、2014年以降も盗難被害ランキング上位になっています。
また、盗難被害に遭っているハイエースは屋外駐車場に停めていたというケースが多いです。そのため、ハイエースベースのバンコンを所有する場合には、屋内の駐車場に保管することをおすすめします。
さらに、盗難被害に遭いやすいハイエースは、イモビライザーが装備されていない2012年以前の車両が多いことも特徴です。2012年以前のハイエースを所有するときは、後付けのイモビライザーやハンドルロックなどの盗難防止措置をしておくと良いでしょう。
バンコンのラインナップは、ベース車両によって異なります。そのため、希望する車種ごとのバリエーションを確認するとよいでしょう。ここでは、バンコンの定番ベース車両であるハイエースについて解説します。
ハイエースをベースとするバンコンのバリエーションには、「ロング・標準ボディ・標準ルーフ」、「ロング・標準ボディ・ハイルーフ」、「ロング・ワイドボディ・ミドルルーフ」、「スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ」があります。
ボディが長く、ワイドで、全高が高い方が室内空間にゆとりが生まれます。乗車人数が2名~3名であれば、ロング・標準ボディ・ハイルーフでもゆったりとできるでしょう。4名以上乗車する場合には、スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフで、ポップアップルーフ付きにすると就寝スペースや居住スペースにゆとり生まれ、窮屈な感じを受けにくくなると言えます。バンコンを選ぶときは、乗車人数や室内空間の拡大ができるかどうかといった点も考慮して車両を決めるとよいでしょう。
バンコンの購入は、ビルダー(架装メーカー)が展開している販売店やキャンピングカー専門店、中古車販売店などで購入できます。キャンピングカーを購入するときは、購入後のアフターサービスやメンテナンスも考慮してショップを選ぶことをおすすめします。
バンコンは、運転がしやすく、機動性に優れていますが、室内空間に制限があります。そのため、広い居住スペースを求めるのであれば、キャブコンがおすすめです。
キャブコンとは、キャブコンバージョンの略称で、キャブ(前席)付きシャシーにキャビン(居住空間)を架装したキャンピングカーのことです。キャブコンは、室内で大人が立てるほどの広い居住スペース、利便性が良い前席上部スペースのバンクヘッド、遮熱性・遮音性に優れていることが特徴となっています。詳しくは、こちらをご覧ください。
バンコンは、運転がしやすいキャンピングカーです。また、普通免許で運転できるモデルもラインナップされていることから、手軽にキャンピングカーのある生活を送ることができます。さらに、ベース車両からサイズアップすることがほとんどないため、一般的な駐車場に停められるのも特徴です。しかし、キャブコンなどのキャンピングカーと比べると室内空間が狭く、ベース車両によっては盗難に遭うリスクも高いです。バンコンの検討をしているときは、メリットやデメリットをしっかりと理解して、実際に車両を見てから購入を決断するとよいでしょう。
キャンピングカーのタイプのひとつであるバンコンについての質問をまとめました。バンコンの検討をしている方や購入するときの参考にしてみてください。