キャンピングカー購入を検討しているけれど、構造要件に不安を感じ購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。実は、2022年4月にキャンピングカーの構造要件が緩和され、従来よりもハードルが低くなりました。
この記事では、キャンピングカーの構造要件について法改正の内容を交えながら詳しく解説します。購入に向けての検討を進める第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
キャンピングカー購入を検討しているけれど、構造要件に不安を感じ購入を迷っている方も多いのではないでしょうか。実は、2022年4月にキャンピングカーの構造要件が緩和され、従来よりもハードルが低くなりました。
この記事では、キャンピングカーの構造要件について法改正の内容を交えながら詳しく解説します。購入に向けての検討を進める第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
バンコンやキャブコン、軽キャンパーなどのキャンピングカーには、各装備に関する細かい条件を取り決めた構造要件が定められています。2022年4月に構造要件に関する法改正が行われ、従来よりもキャンピングカーとしての登録が比較的容易になりました。背景として、コロナ禍での車中泊人気が大きく影響しています。
なお、車のなかで生活することが目的のため、構造要件を満たしてはじめて正式な8ナンバーのキャンピングカーとして扱われます。1ナンバーや4ナンバー登録のキャンピングカーに寄せた装備の車輌はありますが、8ナンバー登録のためには、複数の構造要件を必ず満たさなければなりません。
ここからは、キャンピングカーに求められる以下4つの要件を解説します。
・就寝設備
・水道設備
・炊事設備
・室内高
大きく緩和されたといわれる2022年4月の法改正の内容を踏まえて、それぞれの要件について詳細をみていきましょう。
就寝設備であるベッドについては、乗車定員の人数により必要な数が変わってきます。具体的な要件は以下の6つです。
・乗車定員の3分の1以上の大人用ベッドが必要、ただし端数は切り捨てしてOK
・乗車定員2人以下の自動車であれば1人以上の就寝設備でOK
・大人用3人目からは子ども用ベッド2台で大人用1台としてカウント可能
法改正前は、前半部分(乗車定員の3分の1以上の大人用ベッドが必要)こそ同じでしたが、小数点以下が切り上げでカウントされてしまい、さらに乗車定員が3人以下のキャンピングカーについては、最低2人以上の就寝スペースが必要でした。そのため、車中泊ユーザーに人気の軽キャンパーやバンコンでは構造要件のクリアが難しいとされていました。しかし、法改正後の現在では、乗車定員が1〜5人までなら1つ、6〜8人までなら2つのベッドがあればよい計算になります。
ベッドの数と合わせて、大きさの要件も確認しておきましょう。大人用就寝設備の構造及び寸法として、以下の3つが要件で定められています。カッコ内で子ども用の要件を補足しています。
・1人分のスペースは180cm×50cm以上あること(子どもは150cm×40cm以上)
・ベッドの表面から50cm以上の高さを確保できること、ただし180cmのうち90cmまでは高さが30cm以上あればOK(子どもはベッドの表面から40cm以上の高さを確保、150cmのうち80cmまでは高さが30cm以上でOK)
・ベッドの表面が凸凹しているのはNG、水平かつ平らであること※
※ソファーをベッドに展開した場合
数がクリアできても、十分な大きさが確保されていないとキャンピングカーとしての登録は難しいでしょう。また、隙間のないフラットな形状が求められているため、検討する際には注目してみてください。
車内で寝泊まりするキャンピングカーには、水道が必要です。水道設備で求められる要件は以下の3つです。
・10L以上の水を溜められるタンクが必要
・洗面台やキッチンの流しのように水を溜めるものが必要で、流しではそのタンクの水が使えなければならない
・排水できる10L以上のタンクも必要
設置されるタンクは車種によってさまざまです。たとえば、キャブコンではシャワーやトイレが設置されているモデルもあり、給水タンクのほうが大きな容量の場合があります。反対に、スペースや設備が限られているバンコンや軽キャンパーは、給水・排水どちらとも最低限の10Lで用意されているケースが多いです。
キャンピングカーをどのように使用するかによって、必要な容量は変わってきます。長旅をするなら大容量のもの、1泊の車中泊であれば必要最低限のものなど、ご自身のキャンピングカーライフを具体的にイメージしてみてください。自ずと選べるモデルが絞られるでしょう。
キャンピングカーの醍醐味といえるのがコンロや電子レンジなどの炊事設備です。要件は以下3つです。
・コンロ等があり食事を作ることが可能
・コンロや流しとは別に30cm×20cm以上のキッチン用作業スペースがあること
・コンロ付近の壁や天井の素材は耐熱性や耐火性の強いものを使うこと、加えてコンロの側には窓か換気扇が必要
炊事設備と聞くとコンロのイメージをもたれる方もいるかもしれませんが、電子レンジだけでもOKです。ただし、取り付けや取り外しが簡単な分、外してしまうと要件を満たさなくなってしまうため、くれぐれも注意しましょう。
また、キッチンとしての作業スペースは、流しやコンロとは別に確保する必要があります。つまり、流しやコンロの上に板を置いても作業スペース扱いとはなりません。加えて、コンロを設置する場合、コンロ付近の壁や天井は火事を防ぐために熱に強く燃えにくい素材かつ、開閉できる窓か換気扇も必要です。
2022年の法改正で最も大きな変更点が、キャンピングカーの室内高です。以前の構造要件では、すべての車輌においてキッチンの高さが1,600mm必要とされていましたが、改正後は調理台の高さが850mm以下の場合は、1,200mmに緩和されました。
この法改正で、ハイエースの標準ボディやタウンエースバンなどのハイルーフではない車輌でもキャンピングカーとして登録できるようになりました。ただし、キッチンの高さが850mmを超える場合は、これまで通り1,600mmの車内高が必要な点は要注意です。
水道設備や炊事設備は、専用の設置場所が設けられていれば問題ありません。具体的には、給排水用のタンクや炊事で使うコンロは、取り出し可能なもので大丈夫です。つまり固定されている必要はなく、車外に持ち出してタンクに水を汲んだり、バーベキューでカセットコンロとして使ったりしても構造要件には影響ありません。
なお、モデルによっては、生活水のタンクだけ固定されている場合もありますが、容量と設置場所があればキャンピングカーとして認められると解釈できます。
ただし、車検を通す際には設置場所に必ず収まっていなければなりません。取り外しができるからといって、車外や自宅に置いたままでは構造要件を満たしていないと判断され、車検に通らなくなってしまうため注意してください。
キャンピングカーを選ぶうえで、構造要件の理解は重要です。たとえば、電子レンジで炊事設備は十分にもかかわらず、立派なコンロ付きのものを購入してしまったり、8ナンバーが選択できるのに、4ナンバーのキャンピング仕様を購入してしまうといったケースは珍しくありません。ご自身がキャンピングカーに求めるものは何かを明確にしておくことが大切です。
ここからは、キャンピングカーの構造要件に関してよくある質問に回答していきます。少しでも疑問を払拭するための材料として、お役立てください。