キャンピングカーが横転したという事故を聞いたことがある方も多いのでないでしょうか。今回は、キャンピングカーの横転事故の原因、横転しやすい車種や横転しにくい車種、横転しにくい運転方法を解説します。正しい知識と丁寧な運転をすればキャンピングカーの横転事故は防ぐことができます。キャンピングカーの横転を心配している方は、この記事を参考にしてみてください。
キャンピングカーが横転したという事故を聞いたことがある方も多いのでないでしょうか。今回は、キャンピングカーの横転事故の原因、横転しやすい車種や横転しにくい車種、横転しにくい運転方法を解説します。正しい知識と丁寧な運転をすればキャンピングカーの横転事故は防ぐことができます。キャンピングカーの横転を心配している方は、この記事を参考にしてみてください。
キャンピングカーが横転事故を起こす原因は、何なのでしょうか。2022年4月には人気ユーチューバーのキャンピングカーが事故を起こしたというニュースがありましたが、横転事故の画像や映像などを目にして、キャンピングカーが怖い乗り物だと思ってしまった方も多いのではないでしょうか。
では、キャンピングカーが横転事故を起こしてしまう原因を解説していきます。
キャンピングカーが横転してしまう理由は、一般的な乗用車よりサイズや重量が大きいためです。
キャンピングカーは、乗用車よりもボディサイズ(長さ・高さ・幅)が大きいことが多いです。特に、全高が高く、重量が重たいということがキャンピングカーと一般的な車の大きな違いとなります。
全高が高い車は、重心が高くなりカーブや交差点での安定感が低くなりやすいです。重量が重たい車は、慣性の法則により、コーナーで車が外側に膨らみやすくなります。よって、キャンピングカーで速い速度のままカーブや交差点を曲がったり、急操作をしたりすると横転してしまうのです。
また、車の構造が横転の原因を引き起こしている場合もあります。
キャンピングカーの定番タイプであるキャブコン(キャブコンバージョン)は、重量がある居住スペースを車の後ろに搭載しているものの、リアタイヤの左右のタイヤ接地面の中心間の距離(トレッド幅)が狭いため、カーブや交差点をなどで踏ん張りがきかず横転しやすいです。
また、手軽にキャンプを楽しめる軽キャンパーは、もともと車幅が狭く、全高が高い車であるため、重心が高く横転しやすい構造といえるでしょう。
一方、ハイエースなど商用バンをベースにしたバンコン(バンコンバージョン)は、走行性能が高い設計になっているだけでなく、ベース車両から全高をはじめとしたボディサイズがほとんど変わらないため横転しにくいです。
ただし、重量があるものを高い場所に載せたり多くの荷物を積載したりするなど車が重い状態になっていると、慣性の法則により横転することもあります。
まとめると、キャンピングカーは、重量が重く、全高が高い車であるため、横転しやすいのです。しかし、重量があることや高さがあることを踏まえて、注意しながら運転すれば横転事故を防ぐことができます。
キャンピングカーには、さまざまなボディタイプがあります。その中でも、キャブコン(キャブコンバージョン)や軽キャンパーは横転しやすいボディタイプと言えるでしょう。
これらのボディタイプが横転しやすい理由は、全高が高いことや左右のタイヤ接地面の中心間の距離(トレッド幅)に対して居住スペースの幅が広いことにより、カーブ・交差点を曲がるときに踏ん張りがきかなかったり、横風の影響を受けたりしやすいためです。
キャンピングカーが横転しやすい車であることは、ビルダー(車を架装してキャンピングカーとして企業)も十分理解しています。そのため、ビルダーがベース車両をキャンピングカーに架装するときに横転の対策をすることもあります。よって、一概にキャブコンや軽キャンパーが横転すると断言できませんが、バンコン(バンコンバージョン)より横転する危険性が高いのは事実です。
キャブコンや軽キャンパーなど、全高が高く、重心が高い位置のキャンピングカーを購入するときは、横転対策がされているか確認しましょう。また、高さのあるキャンピングカーを運転するときには、一般的な乗用車とは違う車に乗っているという意識を忘れないようにしましょう。加えて、カーブや交差点、横風に気を付けながら運転するようにしてください。
横転しにくいキャンピングカーには、どのような車種があるのでしょうか。ここからは、横転の対策がされているモデルや走行が安定しているキャンピングカーを紹介します。
トヨタ カムロードは、キャンピングカーに架装することを前提としたシャシー(前席と居住スペースを載せる骨組み部分)で、ダブルタイヤとワイドトレッドを採用していることから、横転しにくい車種と言えるでしょう。
ダブルタイヤは、耐荷重性能を高めるために装備されています。重たい居住スペースを載せるキャンピングカーに適した装備と言えるでしょう。
ワイドトレッドとは、左右のタイヤ接地面の中心間の距離(トレッド幅)が広く取られていることを意味しています。トレッド幅が広いと、カーブや交差点などを曲がるときに踏ん張りがきくようになるため、横転する危険性が低くなります。
カムロードは、重量が重たく幅が広い居住スペースを積載することを前提とした対策がされているため、横転しにくいモデルと言えるでしょう。
トヨタ ハイエースは、高さがあるバンであるため、横転しやすいように見えます。しかし、ここで紹介する「スーパーロング」は、横転しにくいモデルと言えます。
ハイエーススーパーロングは、全幅1,880mmの「ワイドボディ」です。標準ボディのハイエースの全幅1,695mmと比べると、ワイドボディの方が185mmも幅が広くなっています。そのため、横転するリスクが低いと言えるでしょう。
また、前輪軸と後輪軸の距離であるホイールベースは、スーパーロングが3,110mm。ロングボディのホイールベースが2,570mmです。スーパーロングの方がロングボディより540mmもホイールベースが長くなっています。ホイールベースが長いと、直進安定性が高くなるだけでなく、居住空間も広く取ることが可能となります。
よって、ハイエースのスーパーロングは横転しにくく、室内空間にゆとりがあり、走行安定性にも優れているモデルと言えるでしょう。
さらに、ハイエースは、全高が高い車であることや多くの荷物を載せることを前提として作られているバンであるため、走行性能や耐荷重性能にも優れています。
ハイエーススーパーロングは、全幅の広さ、ホイールベースの長さ、対荷重性能に優れた設計などにより、横転しにくく、走行が安定しているバンコンのベース車両と言えるでしょう。
横転しやすいキャンピングカーには、どのような車種があるのでしょうか。ここからは、購入時に注意した方が良い横転しやすい車種を紹介します。
2020年まで生産されていたマツダ ボンゴと日産 バネットは、キャブコンのベース車両として人気のあるモデルですが、横転しやすい車種でもあります。
ボンゴ/バネットは、車幅が狭く、トレッド幅も狭い車種であるものの、居住スペースの幅が広いキャンピングカーに架装されるケースが多いです。そのため、カーブや交差点などで踏ん張りがきかず、横転しやすいと言えるでしょう。
購入の際には横転のリスクがあることも考慮しておくことが大切です。
軽キャンパーは、高さが高く、車幅が狭いことから横転するリスクが高いです。特に、軽トラックをベースに居住スペースを架装した軽キャブコンは、ベース車両よりも全高が高くなることが多いため、横転事故に注意しなければなりません。
軽キャンパーは、手軽にキャンプを楽しめるキャンピングカーとして人気が高まっているモデルですが、カーブや交差点、風が強いときの運転に気を付ける必要があります。
全高が高く、重量が重たいキャンピングカーを運転するときは、「急」がつく運転操作をしないようにしましょう。
「急」がつく操作とは、「急発進」「急ブレーキ(急減速)」「急ハンドル」です。
急ハンドルは、横転する可能性が高い運転操作です。速い速度のままカーブや交差点を曲がったり、横風に驚いて急ハンドルを切ったりすると、走行中に車のバランスが崩れ、横転してしまいます。
急発進や急ブレーキ(急減速)は、乗っている乗員に負荷がかかるだけでなく、積載している荷物が車内で動いてしまう可能性がある運転操作です。
これらの理由により、キャンピングカーを運転するときは、カーブや交差点を通行する前に減速して、バランスが崩れないようにすることが重要となります。また、発進や停止をするときは、慎重なペダル操作を心がけることが大切です。
キャンピングカーは、一般的な乗用車と異なる車であることを理解して横転しないよう注意しながら運転しましょう。
キャンピングカーは、高さがあり、重量が重く、重心が高めになることから横転しやすいと言えます。しかし、横転しにくい車種を選んだり、横転しないよう対策されたモデルを購入することで、横転事故のリスクを下げることができます。
また、キャンピングカーを運転するときは、一般的な乗用車と違う車であるという意識を忘れずに慎重な運転を心がければ事故を防ぐことができます。車種選びと運転操作に気をつけて楽しいキャンピングカーライフを過ごしましょう。
キャンピングカーの横転事故、横転しにくい車、横転させない運転方法についてQ&Aでまとめました。キャンピングカーの横転を心配している方は参考にしてみてください。