キャンピングカーを選ぶとき、キャブコンやバンコン、軽キャンパーなどのボディタイプと同様に悩むのがエンジンタイプです。キャンピングカーのエンジンタイプは、主にガソリン車とディーゼル車の2種類があります。車種によっては、エンジンタイプを選べないモデルもありますが、ガソリン車とディーゼル車の両方が設定されている場合、どちらを選択すればよいのでしょうか。今回は、ガソリン車とディーゼル車のメリット・デメリットを詳しく解説します。
キャンピングカーを選ぶとき、キャブコンやバンコン、軽キャンパーなどのボディタイプと同様に悩むのがエンジンタイプです。キャンピングカーのエンジンタイプは、主にガソリン車とディーゼル車の2種類があります。車種によっては、エンジンタイプを選べないモデルもありますが、ガソリン車とディーゼル車の両方が設定されている場合、どちらを選択すればよいのでしょうか。今回は、ガソリン車とディーゼル車のメリット・デメリットを詳しく解説します。
キャンピングカーのベース車両には、トラックや商用バン、軽バンなど、さまざまな車種があります。これらすべてのベース車両にガソリン車とディーゼル車が設定されているわけではありませんが、人気が高い代表的なベース車両には、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方が設定されています。
キャブコンの代表的なベース車両である「トヨタ カムロード」のエンジンは、2.8Lクリーンディーゼルと2.0Lガソリンの2タイプです。また、駆動方式によって設定されているエンジンが異なり、2WD車にはガソリンとディーゼルが用意され、4WDはディーゼルのみとなっています。
バンコンのベース車両として人気の「トヨタ ハイエース」のエンジンは、ガソリンが2.0Lと2.7Lの2種類、ディーゼルが2.8Lの1種類の計3種類です。グレードによって搭載されるエンジンが異なります。
このようにキャンピングカーの代表的なベース車両である「カムロード」と「ハイエース」には、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方が用意されています。そのため、キャンピングカーを購入するときは、どちらのエンジンにするかユーザーが選ぶことになるのです。
キャンピングカーを選ぶときに、エンジンタイプで悩まないようにするためにも、ガソリン車とディーゼル車のメリット・デメリットを理解しておくことが大切となります。
まず、一般的な乗用車にも多く搭載されるガソリン車のメリットとデメリットを解説します。キャンピングカーの場合、乗用車では気にならなかったことがデメリットになることがあるため、改めてガソリン車のメリット・デメリットを理解しておきましょう。
ガソリン車のメリットは、静粛性が高いことや車両価格が安いことなどです。それぞれの理由を詳しく解説します。
ガソリン車は静粛性が高いことがメリットです。ディーゼル車と比べると、ガラガラ音や振動が少ないため、静かな室内になります。そのため、エンジンをかけていても快適性が高いと言えるでしょう。
ガソリン車は、車両価格が抑えられることも特徴です。乗用車や商用車など、さまざまな車に使われているガソリンエンジンは、量産されているエンジンであるため、コストを抑えられます。そのため、ディーゼル車よりも車両価格を安くできるのです。
また、ガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンのように耐久性を高くする必要がない構造であるため、エンジンそのものの開発・生産コストを抑えられることから、ガソリン車の方がディーゼル車よりも安く生産でき、車両価格を抑えられます。
ガソリン車のデメリットは、ディーゼル車よりもパワー不足を感じやすいことや燃費が悪いことなどです。ここからは、ガソリン車のデメリットを解説します。
ガソリン車は、ディーゼル車と比較するとパワー不足を感じやすいです。キャブコンのベース車両として採用されることが多いカムロードのエンジンスペックを見てみると次のようになっています。
カムロードのエンジンスペック
■2.0Lガソリンエンジン
・最高出力(ネット値):97kW(132PS)/5,600rpm
・最大トルク(ネット値):179Nm(18.3kgm)/4,000rpm
■2.8Lディーゼルエンジン
・最高出力(ネット値):106kW(144PS)/3,400rpm
・最大トルク(ネット値):300Nm(30.6kgm)/1,200~3,200rpm
エンジンスペックで注目すべきポイントは、出足の力強さを示す「最大トルク」です。
ガソリンエンジンの最大トルクは179Nm(18.3kgm)ですが、ディーゼルエンジンは300Nm(30.6kgm)とガソリンエンジンの1.5倍以上の力強さがあります。
また、ガソリンエンジンは最大トルクを発生させるために、アクセルを多く踏み込み4,000回転までエンジン回転数を上げなければなりません。一方、ディーゼルエンジンは、アクセルを少し踏み込んだときの回転数である1,200回転から3,200回転まで最大トルクを発生し続けるため、出足から力強い加速をします。
ガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンよりも最大トルクの数値が低く、最大トルクを発生させるエンジン回転数が高いことから、アクセルを多く踏み込まなければ加速しないという特性なのです。そのため、パワーが足りないと感じたり、ガソリン車は走らないと感じたりします。
ガソリン車は、ディーゼル車と比較すると燃費が悪いです。ガソリンエンジンは、車の加速に必要なパワーを発生させるために、アクセルを多く踏み込まなければなりません。アクセルを踏み込めばエンジンがたくさん回りパワーが出ますが、燃料も多く消費するため、燃費が悪くなります。
ガソリンエンジンも用意されているバンコンのベース車両「ハイエース」のガソリンエンジンのWLTCモード燃費をみてみましょう。
■WLTCモード燃費(ハイエース2.7Lガソリンエンジン)
・WLTCモード:8.1~9.2km/L
・市街地モード:6.2~6.5km/L
・郊外モード:8.4~9.2km/L
・高速道路モード:9.1~10.0km/L
ただし、上記の燃費はあくまでもベース車両のカタログ燃費です。キャンピングカーの場合、室内装備の追加や架装がされるため、重量が重くなり燃費が悪くなります。そのため、ハイエースのキャンピングカーの燃費は、市街地や住宅街などの一般道路が5〜7km/L程度、高速道路が8〜10km/L程度になるでしょう。
ディーゼルエンジンの場合、WLTCモードのカタログ燃費が11.0~12.5km/L、市街地モードが8.9~9.7km/L、郊外モードが11.1~12.5km/L、高速道路モードが12.2~14.2km/Lとガソリンエンジンよりも優れています。カタログ燃費の比較だけでもガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンよりも燃費が悪いと言えるでしょう。
次に、トラックやバスに搭載されることが多く、近年では乗用車への採用も増えてきたディーゼル車のメリットとデメリットを解説します。キャンピングカーの購入時に参考にしてみてください。
ディーゼル車のメリットは、パワフルな走り、ガソリンよりも安い燃料代、燃費性能に優れていることなどです。ここからは、それぞれのメリットを詳しく解説します。
ディーゼルエンジンは、出足の力強さを示すトルクが太い(トルクの数値が大きい)ことが特徴です。先述したようにディーゼルエンジンは、低いエンジン回転数から最大トルクを発生するため、力強い走りをします。
また、カムロードやハイエースに搭載されているディーゼルエンジンは、ターボチャージャーが装着されているため、低いエンジン回転域から中回転域までフラットに最大トルクを発生することもポイントです。力強さが継続するフラットトルクのディーゼルターボエンジンは、重量が重いキャンピングカーに適していると言えるでしょう。
参考までにカムロードとハイエースのディーゼルターボエンジンのスペックをみてみましょう。
カムロードとハイエースのディーゼルターボエンジンのスペック
■カムロード:2.8Lディーゼルターボエンジンのスペック
・最高出力:106kW(144PS)/3,400rpm
・最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1,200~3,200rpm
■ハイエース:2.8Lディーゼルターボエンジンのスペック
・最高出力:111kW(151PS)/3,600rpm
・最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1,000~3,400rpm
最大トルクを発生するエンジン回転数を見てみると、アイドリング状態から少しアクセルを踏み込んだときに最大トルクが発生することがわかります。そのため、ディーゼルターボエンジンは、出足から力強い加速をするのです。
ディーゼルエンジンは、燃料が軽油であるため、ガソリンやハイオクよりも燃料代を安く抑えられます。また、ガソリンエンジンよりも燃費性能に優れているのも特徴です。
カタログ燃費になりますが、ハイエースのガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃費を比べてみましょう。
ハイエースの燃費
■2.7Lガソリンエンジンの燃費
・WLTCモード:8.1~9.2km/L
・市街地モード:6.2~6.5km/L
・郊外モード:8.4~9.2km/L
・高速道路モード:9.1~10.0km/L
■2.8Lディーゼルターボエンジンの燃費
・WLTCモード:11.0~12.5km/L
・市街地モード:8.9~9.7km/L
・郊外モード:11.1~12.5km/L
・高速道路モード:12.2~14.2km/L
燃費を比べてみると、ガソリンエンジンよりもディーゼルターボエンジンの方が燃料1Lあたりの走行距離が3kmほど長く走行できます。また、燃料代はレギュラーガソリンよりも軽油の方が1Lあたり20円ほど安いことがほとんどです。よって、ディーゼルエンジンの方が、燃費が良く、燃料代が安く済みます。
ディーゼルエンジンのデメリットは、ディーゼルエンジンならではのガラガラ音や購入時の価格が高くなりやすいなどです。ここからは、ディーゼルエンジンのデメリットを解説します。
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと構造が異なるため、ガラガラ音や振動が発生しやすいです。
そのため、車を停めてアイドリング状態で車内の電化製品を使うと、ガソリン車よりもディーゼル車の方が音や振動が大きく、うるさいと感じることもあるでしょう。また、夜になると周囲が静かになる分、ディーゼルエンジン特有の音や振動が目立つようになります。ディーゼル車のキャンピングカーを検討している方は、一度レンタルして音や振動を確かめてみると良いかもしれません。
ディーゼル車は、価格が高くなりやすいです。
ディーゼルエンジンは、圧縮した空気に燃料を噴射して自然着火させる構造であるため、高い耐久性が求められます。また、ガソリンエンジンよりも開発や製造にコストがかかるため、車両価格が高くなりやすいのです。
キャンピングカーのエンジンタイプは、使い方によってガソリンにするかディーゼルにするか選ぶとよいでしょう。ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも良い点と悪い点のどちらもあります。
そのため、車内で過ごす時間が長かったり、目的地へ向かう道中で車中泊したりするのであればガソリンエンジンが良いでしょう。一方、キャブコンのように大きく重たい居住スペースを載せたり、多くの荷物を積載したりする場合には、ディーゼルエンジンの方がパワフルに走ることができます。
それぞれのメリットとデメリットを理解して、自分の使い方に合ったエンジンタイプを選びましょう。
https://www.campcar-lab.com/kaitori/
キャンピングカーのエンジンタイプは、ボディタイプや装備などと同じくらい悩むポイントです。キャンピングカーに搭載されるガソリンエンジンとディーゼルエンジンは、それぞれにメリット・デメリットがあります。
エンジンタイプを選ぶときは、燃料代や燃費、購入価格だけでなく、エンジンの音や振動を気にするか、重量が重いものを頻繁に載せるのかといったことを考えてから決めることが大切です。自分のスタイルに合ったエンジンタイプを選んで不満のないキャンピングカーライフを楽しみましょう。
キャンピングカーのガソリンエンジンやディーゼルエンジンについてQ&Aでまとめました。エンジンタイプを選ぶときの参考にしてみてください。