テントなどの就寝場所を用いずに車の中で眠る「車中泊」。近年のアウトドアブームもあり、遠出の際の宿泊手段として徐々に一般化してきているようです。
安く済む、テントの設営の手間が無い、車の方が快適、などメリットも多くありますが、一方で車中泊にまつわる「トラブル」も増えています。今回は快適に車中泊を行うために知っておきたい「ルール」や「マナー」について見てみましょう。
テントなどの就寝場所を用いずに車の中で眠る「車中泊」。近年のアウトドアブームもあり、遠出の際の宿泊手段として徐々に一般化してきているようです。
安く済む、テントの設営の手間が無い、車の方が快適、などメリットも多くありますが、一方で車中泊にまつわる「トラブル」も増えています。今回は快適に車中泊を行うために知っておきたい「ルール」や「マナー」について見てみましょう。
大前提として、道路わきの私有地などでの車中泊は絶対にやめましょう。空き地に見えても所有者の駐車場など何らかの用途で使われている場所がほとんどです。幹線道路沿いなどによくある待避場所も、長時間の駐車をするべき場所ではありません。
車中泊はRVパークやオートキャンプ場の車中泊エリアなど、車中泊を前提とした施設で行うことが基本です。
それでは、車中泊ができる施設にはどんなものがあるでしょうか。具体的に確認してみましょう。
観光地などでよく目にする「道の駅」で車中泊はできるでしょうか。答えは「場合による」です。道の駅の登録を行う国土交通省では『道の駅』は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。」と回答しています。
しかし、続いて「もちろん、『道の駅』は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。」とも述べています。仮眠はOK、宿泊はNGということです。
「仮眠」と「宿泊」の区別は非常に曖昧で難しいところです。「利用者の良心に委ねられている」というのが現状でしょう。しかし連泊や長時間の利用は「宿泊」とみなされる可能性が高く、行うべきではありません。
また、道の駅の利用でよく問題になるのが「ゴミの放棄」です。道の駅にはゴミの捨て場所が設置されているとは限りません。これらの施設を利用する際には、ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。
高速道路のSA・PAも基本的には道の駅と同様に「仮眠は問題ないが、宿泊目的の利用はNG」です。特に駐車場の台数が少ない小規模なPAや、渋滞スポットにあるSAなどの長時間利用は周囲の利用者にも迷惑がかかってしまいます。
トイレやゴミ箱が確実に設置されていますが、決して宿泊のためではありません。仮眠の範疇にとどまる利用を心がけましょう。当然ですがグレータンク等の排水もNGです。
また、後ほど紹介するRVパークを認定している日本RV協会では、以下の10項目を「公共駐車場でのマナー厳守10か条」としています。
・長期滞在を行わない
・キャンプ行為は行わない
・許可なく公共の電源を使用しない
・ゴミの不当投棄はしない
・トイレ処理は控える
・グレータンクの排水は行わない
・発電機の使用には注意を払う
・オフ会の待ち合わせは慎重に
・車椅子マークの所に駐車しない
・無駄なアイドリングをしない
※引用:キャンピングカーマナー厳守への呼びかけ|一般社団法人日本RV協会
道の駅、サービスエリアやパーキングエリア利用の際には、上記マナーに気をつけましょう。
「クルマの利用を前提としたキャンプ場なら車中泊も問題ないのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし、近年では「車中泊NG」のオートキャンプ場が増えています。音や光による周囲の宿泊者への迷惑であったり、ゴミ問題であったりと理由はさまざまです。就寝中のアイドリング音や車内ステレオからの音漏れは、自然のなかでのキャンプを楽しみたい方にとっては不快なものでしょう。また旅程で出たゴミを全て捨てていく利用者の存在も、キャンピングカーや車中泊の印象を悪化させてしまいます。
もちろん、車中泊可能なオートキャンプ場も多くあります。周囲への影響を鑑みて、キャンピングカー専用区画を作っているキャンプ場も少なくありません。オートキャンプ場利用時は、車中泊できるかどうかを事前に調べておきましょう。
「誰にもとがめられず車中泊を楽しめる場所はないのでは?」と不安を感じる方も多いでしょう。気兼ねなく車中泊したい方におすすめなのが、
RVパークです。日本RV協会が「快適に安心して車中泊が出来る場所」として認定した施設で、全国200ヵ所以上が登録されています。
連泊OK、ゴミ・排水処理可、電源確保などキャンピングカーの車中泊で必要な設備が一通り揃っています。ただし、利用は有料です。近年では道の駅や温泉、遊園地などに併設されるケースもあり、快適に車中泊を行える場所として人気が高まっています。
RVパークは施設ごとに利用法やルールが異なるため、各施設のルールを守って滞在しなければなりません。
続いて、車中泊を快適に行うためのコツや対策を紹介します。
快適に過ごすためには、気候にあわせた暑さ・寒さ対策が欠かせません。就寝時にも稼働できるエアコンやヒーターの設置が望ましいですが、難しい場合は冷却材や断熱シート、毛布などで調整しましょう。特に夏場は脱水症状や熱中症を発症する危険性も高まるため、徹底した対策が必要です。
エンジンを掛けたままの就寝は周囲の迷惑になるだけでなく、一酸化炭素や二酸化炭素による中毒を引き起こす可能性もあるため、避けるべきです。
家電の利用やスマートフォンの充電など、車中泊において電源を使う場面は少なくありません。しかし、道の駅、サービスエリアやパーキングエリアでは、施設の電源の利用が禁止されています。キャンピングカーのバッテリーに不安を感じる場合は、別途サブバッテリーを用意しておきましょう。RVパークやオートキャンプ場であれば充電設備を利用できる場合もありますが、自身で電源を確保しておくとより安心です。
また、車内で家庭用の電気製品を利用するためには直流交流を変換する「インバーター」が必要なので、あわせて準備しておく必要があります。
汚水処理が可能な施設は限られます。基本的には自宅へ持ち帰る必要がありますが、RVパークやオートキャンプ場では汚水廃棄が可能な施設も存在します。他の場所での汚水廃棄はマナー違反です。近年では、ガソリンスタンド等にも汚水処理可能な場所が増えているようなので、必ず出発前に処理できる場所を確認しておきましょう。
残念ながらソロ車中泊を標的にした犯罪行為が横行しているため、防犯対策も非常に重要です。
窓ガラスは基本的に全てカーテンやシェードで塞ぎ、車内が見えないようにしましょう。就寝中の施錠はもちろんですが、夜間のトイレ利用時も周囲に注意が必要です。スマートフォンなどの通信機器は常に身に着け、防犯ブザーを利用するのも良いでしょう。
今回は車中泊について、実施可能な場所やマナーを紹介しました。キャンピングカーや車中泊ユーザーの公共駐車場利用については厳しい意見も少なくありません。ゴミの投棄や騒音などの問題が頻発すると、以降の利用が難しくなる場合もあります。多くの車中泊ユーザーが快適に施設を利用できるよう、マナーを守って車中泊を楽しみましょう。
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